牛の幸せを追求する。世間に見捨てられた牛を引き取り自然放牧。
宝と書いて「ほうぼくしゃ」って素敵じゃないですか?
<エシカルなこだわり>
・処分されるジャージー牛のオスを引き取り育てるアニマルウェルフェア
・完全自然・山地放牧。牛舎さえない大自然の中で伸び伸びと育てる
<こんな人におすすめ>
・脂が多い霜降りのお肉が少し苦手な方
・牛ごとに違う、個体差のある味わいを個性として楽しめる方
・伸び伸びと育てられたアニマルウェルフェアな畜産を選びたい方
・山地さん(以下、タツさん)の不器用な愛情表現を受け止めていただける方
不器用だけど、愛情深い。
言葉足らずなところがあり、私も本音を理解するのには時間がかかる農家さんです(笑)
しかし紐解いていくと、牛にも人にも愛情深く、様々な価値観を受け入れ議論する姿勢を持っています。
「僕はヴィーガンの人とも、目指す方法は違うけど目指すところは同じだと思う。命を大切にするってことでしょう?」と言ったときは驚きました。
(表現がへたっぴで、刺々しいときはあるんですけどね、、、それも皆さんの愛で受け止めてあげてください。)
「これが本当に牛の幸せなのか?」を日々問い続ける
育てる過程も、そしてお肉としていただく最期も、本当に牛にとってそれが幸せなのかを今だに考え続けるタツさん。
「宝牧牛を通してお客さんにも牛の幸せについて考えてほしい。だから僕はお肉を売りたい。」とおっしゃっていました。
お肉はあくまでもお客さんと繋がる方法の1つ。今いる牛を大切にいただくのももちろんですが、これから生まれてくる牛たちの最期は何が幸せなのかを一緒に考えたいとタツさんは教えてくれました。
「やってることは当たり前」と言い切る、消費者と同じ感覚で業界に疑問を持つ
タツさんが育てる牛は実は業界では見捨てられている牛たち。
ジャージー牛のオスの子牛
ミルク用に育てられるジャージー牛にオスは必要ない。肉用の牛ではないので育てても肉付きが悪く、業界的には育てても効率が悪く産業廃棄物として処分されてしまいます。
タツさんはそんな子牛たちの運命を変えるべく、わざわざ引き取ってきて放牧で伸び伸びと育てています。
子どもを産み切った後の母牛
既存の畜産業の中で何度も何度も子どもを産んできた母牛は「廃用母牛」と表現されます。どうしても肉は硬くなり一般の市場では商品価値が下がるため、同じく業界では産業廃棄物として扱われています。
宝牧舎ではそんな母牛を引き取り、放牧を通して健康に第二の人生(牛生?)を歩めるように育てています。
これらは決して肉の味が悪いわけではなく、霜降り牛と比べた時に脂のノリが悪いなどで評価されています。しかしその脂の少なさが放牧牛の良いところであり、違う軸で評価してあげる必要があると考えています。
業界ではどれも当たり前。そこに疑問を持っても行動する人はいなかった。
「なんでそこに注目されたんですか?」と聞くと、 「当たり前って思いません?だって可哀想でしょ?それ以上の理由はないですよ。」と即答。
どんな言葉よりも、シンプルな思いが最強です。
タツさんのお肉の特徴
写真は無加工です。赤身が美しい!
完全自然・山地放牧で伸び伸びと育ちました
自然放牧というと広々とした大地に牛が歩いているイメージを持たれるかと思いますが、宝牧舎ではもはや山の中です(笑)
元々は草まみれだった山を牛が食べて開拓し、今の農場の姿になりました。餌は自然の草。牧草もあまり使わず育てられています。
その分、肉の味に個体差が出てしまうのですが、それも個性!「今回のこの牛はこんな味わいだ。ありがとう。」と楽しんでいただける方にはおすすめです!
できるだけ自然に近い形で育てるのがタツさんが考える牛の幸せです。
番外編:牛を迎えるけどスルーされるタツさん